3月5日 卒業前夜
海外研修のとき知り合った東京の専門学校に通う友達二人が大阪に遊びに来るというので漫画専攻のグループと一緒に飲みに行った。
ここにいる全員、漫画を描いている。またみんな自分たちの漫画と真剣に向き合っている。
そしてそれは深夜2時くらいまで続いて真剣な話からふざけたことまで色んな話をした。
東京の専門学校の友達二人と別れてからは漫画専攻のグループの一人が一人暮らししてたのでそいつの家まで長い時間かけて歩いて帰った。
もう終電もないし人気がない夜道をマクドのポテトとバーガーを食べながら帰った。
そのとき隣を歩いてたのは一年のときたまたま同じ小説の選択授業取ってたのがきっかけで仲良くなった奴だった。
こいつは自分とは正反対の人間で確実に自分にないものを持ってて喋りも上手かったので少しだけ憧れてる。また自分だけでなく周りからの人望も厚かったので人間性含め少し尊敬している。
普通に喋っていると自分とは笑うタイミングとかウマがあったりして本当に面白い奴。
また人を小馬鹿にする才能が抜群に素晴らしい。多分それも漫画に生かされてるのかもしれない。
そいつ含め身長が高い奴とか島根出身の奴とかヤンキー顔の奴とかホラー漫画描く奴とかとにかく個性溢れる人たちと仲良くなることが出来た。
いつもそのメンバーで授業が終わった放課後、居残ってネームをしたり、くだらないこととか真剣なことも話し合っていた。
その話の8割が下ネタだったような気もするがカップ麺食いながら過ごすその時間は意外と自分にとって思い出である。
体育祭ではアホなパフォーマンスを三年間やりきって最後の年、1位になれたしね笑
今でも入学したての一泊研修のときの場面は思い出せる。
同じ部屋になった同じ漫画専攻の奴らとぎこちない会話を必死にした結果、その後ずっと学校で一緒に過ごすような仲になれていたり。
とにかく今までの自分の学生生活で一番密度が濃かったし、恋愛とか友情、努力含めそこには間違いなく漫画を通して夢を叶えようとする情熱さと真剣さとかが学生生活の中に確実に存在していたし、同じ夢を目指してる人たちと知り合えたのは本当に貴重だった。
ここからが勝負だと思う。
漫画を描くのは孤独の作業でもあるので
尚更、色々なことに勝負しなければいけないなと思う。
そんなことを書いてしまうのは昨日、提出期限ギリギリのネームを描き終えた反動か?
とりあえずこれ担当にネームのOKもらえなければコンペにも出せないし本当にきついのである。とりあえずあとは祈るしかない。
もう一年ずっとネームをやり続けているが今までで一番ネームをやり続けている。
だけどなぜか辞める気にはならない。
それはララランド含め色んな映画に刺激をもらえているから。
漫画と出会っていなければ確実に映画の専門学校行ってたなと思うくらい今は正直、漫画より映画への情熱の方が高いが映画でもらった情熱とかを漫画にもおすそ分けしてる。だから映画より情熱が低くてもそこまで深く考える必要はなく漫画を描くのはそれでも面白い。
また今でも変わらず漫画も映画も愛着持ってます。
ただ作品に対してのレベルが映画のほうが上だと認めざるを得ない。
こんなこと言ったら本当の漫画ファンから憎まれてしまうが仕方ない。
自分でも認めたくないけど映画を観ていくと認めざるを得ない時が確実に来てしまうから。
10/31
8月映画
「ショート・ターム」デスティン・ダニエル・クレットン監督
社会から外れた人とそれをサポートする人たちの温かさと辛い過去が独特のリズムで伝わる。
斬新な演出で新しい映画的体験が出来る。
「ローリング」冨永昌敬監督
道から外れていった元教師と教え子たちによる恋愛関係はタイトル通りぐるぐると回り続け転落していく様は見てて楽しい。
3.11の日本を濃密に表現する現在の技術を最大限に駆使したアクションと「十二人の怒れる男」を彷彿とさせる会議でのスピーディーかつ退屈させない会話劇。
「ぼくとアールと彼女のさよなら」
病気になった女の子とそれを支える冴えない男たちの友情もの。
あまりオリジナリティが感じられず残念。
「ニンフォマニアック」ラース・フォン・トリアー監督
わざわざVol.2にするほどのものか?と言いたくなる。
期待はずれ。
母性から卒業する主人公をテーマにした映画だ。
そこには閉塞的な生活や車から都会の憧れというのも感じることが出来る。
キャラクターたちがばたばた動き回る様子は見てて面白い。
これも「シン・ゴジラ」同様、日本で作られた3.11を意識した映画。終わらせ方も上手くまとまってて面白い。
普通。
どうしようもない男の様子を映画で淡々と撮り続ける。しかしそれがクセになって面白い。
「オーバーフェンス」山下敦弘監督
素晴らしい。ファンタジー要素を取り入れながらも社会からはみ出した男女の恋愛が胸に刺さる。野球という小道具がオチで大きな役割を果たしてるのも素晴らしい。
現代では少し古くなってしまったインターネットのチャット恋愛。
実験的でありながらその時代の良さも映画から伝わって雰囲気が心地良い。
9月映画
僕が好きな漫画の一つである青山景さんの「ストロボライト」のサスペンス要素はこれから影響受けてるのかなと思ったりした。
「聲の形」山田尚子監督
シーンとキャラの心情が無関係に見えるがしっかりと関連してるのが上手い。
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」ジム・ジャームッシュ監督
とある展開は正直めちゃくちゃで許されないけどジム・ジャームッシュだから許されててオシャレだから許されてんのかな。
「怒り」李相日監督
無関係のように思える登場人物が徐々に繋がっていくサスペンスは面白いが役者たちによる熱演どれも凄い。
個人的に泣く演技がその役者の演技の上手さがすぐ分かると勝手に思ってるんだけど広瀬すずさんがとにかく良かった。
10月映画
「SCOOP!」大根仁監督
撮るものが撮られる側になるという構造と大きくひっくり返る映画全体の流れ。
「エル・クラン」パブロ・トラベロ監督
スコセッシのギャング映画のようにスピーディーで退屈させず、終わらせ方はハネケのように残酷であった。
普通。
冬のように凍てついた夫婦はその片方が亡くなった後も糸のように絡まり続ける。ユーモアが含まれた子供の育児の様子は是枝監督の良さが出たのではないか。
「何者」三浦大輔監督
実験的でそういえばこういうのなかったなと今の時代にぴったりの映画。
就活と恋愛と友情とSNSという要素を上手く混ぜ合わせており非常に上手い。
8月16日
今年に入ってから読み切りだけでなく連載用のネームも書かせてもらえることになりました。ずっと読み切り漫画ばかり描いてたので連載用の漫画の描き方というのに悪戦苦闘してますがなんとか必死に頑張ってます。
就活もなんだかんだでやってますよ。
だけど自分の人生はほんと勉強とか資格とかボランティアとか一切せず漫画だけしかやってきませんでした。性格とかも履歴書書くとき自分のことを考えるわけです。するとやっぱり自分ってほんとスキルとかマジで何もないことに痛感させられ自己嫌悪に陥っちゃうんですね。
親が勉強しろとか言う理由よく分かりました。けどやっぱりこのぐらいの年齢にならないとほとんどの子供その意味分からないよな。
それはさておき漫画を描くことってやっぱり疲れるしモチベーションもなかなか上がりづらいし多分、人生で一番孤独な職業って漫画家なんじゃないの?って思ってるんです。それで今年、僕は就活ですから漫画描く時間あんまり無くなって良い気分転換になるかなーと思って説明会とか面接とか行ってるんですけど、家帰ったらやっぱり漫画描いちゃいますね。あれだけ「嫌だ。疲れる」とか言ってた人間がまさかね。普通に描いちゃってます。
そう思ったら親が漫画道具セットみたいなの買ってくれたりコンビニに売ってたドラえもん文庫版みたいなの買ってくれたのほんと感謝っすね。
てか今ではもう就活とかどうでも良くなってネームしかやってねーっす。ガハハ。漫画楽しすぎー。
そんなわけで就活のおかげでなんとなく離れてた漫画愛を再び取り戻したとさ。ちゃんちゃん。
8月14日
6月、7月に観た映画
「イタリア旅行」ロベルト・ロッセリーニ監督
離婚寸前の夫婦は旅行によって身体だけでなく心までも観光地を巡るように様々な人々と感情に出会う。
目的もない夫婦の未来はふわふわと漂っており、パレードによって足止めを食らった夫婦はその場で解決策を考える。
「我等の生涯の最良の年」ウィリアム・ワイラー監督
戦争から帰ってきた大人たちが再び社会に戻ることへの困難さを伝える。
「エスター」ジャウム・コレット=セラ監督
単純に面白いしホラーとしての色んな演出に驚かされたりする。
上手いなー。
「デッドプール」ティム・ミラー監督
恐らく小学生のときに観たスパイダーマン以来のアメコミ映画。
こういう下ネタめちゃくちゃ言うヒーローいなかったので新鮮。
「プレイタイム」ジャック・タチ監督
社会の構図またはその中で生きる人たちの様子を素晴らしいセットで撮っている。
明確で美しい。
女ロボット自体の美しさも好きだけど抽選で選ばれた優秀青年と距離を縮める様子が純粋で良い恋愛だなと思う。
そしてそこで起きるサスペンス展開もハラハラするし、その先に起こる物語を考えてしまうラストも素晴らしい。
「ひまわり」ヴィットリオ・デ・シーカ監督
女の悲哀を際立たせるようにただひまわりが一面に咲いている。
「葛城事件」赤堀雅秋監督
始まりはどこにでも存在する。ありふれた家族が崩壊しかけており、もう既に崩壊した現在と行き来する。
同じ家族でも様々な人間が生まれ親が選べない子供たちは威圧的な父親と優しい母親から育てられ自然と心から悪の種が植え付けられてしまう。
「日本で一番悪い奴ら」白石和彌監督
スコセッシのギャング映画を彷彿とさせるも「グッドフェローズ」並みのスピード感は中盤辺りから落ちてしまう。
そのあとは期待してたほどの面白さもなく想定内の着地。
「東京上空いらっしゃいませ」相米慎二監督
今に見る90年代映画の良き古さ。
幽霊が消えたり現れたりする、あの胡散臭い効果も良いなと思える。
「ふきげんな過去」前田司郎監督
少女の反抗期と思春期をテーマに監督独特のユーモアで作品世界を徐々に作る。
ありふれた日常の中に非日常的な謎を取り入れ観客を映画の先へと連れていく。
少女の内面の崩壊を爆弾のスイッチで表現するという装置と仕掛けも上手い。
「FAKE」森達也監督
事件の深いところまでは知らない観客たちが全員、夜のニュースを観てるような感覚になれる。
ちょうど良いギリギリのラインを保ちながら外国人と佐村河内守さんによる心理戦のような戦い、そして猫という和らげる道具(といっては失礼だけど)もあったりして良い映画に仕上がったなという感じ。
「TOO YOUNG TOO DIE! 若くして死ぬ」宮藤官九郎監督
とんでもないエンタメ映画だと思うし本当に素晴らしいと思うし最高に面白いと感じた。
修学旅行、好きな人とバスで隣同士になれるかどうかのドキドキ、その席を違う男子に譲ってもらう学校あるある。そしてバス事故で地獄に落ちて年齢を重ねた好きな人と再会するまで何度も虫に生まれたりとかインコに生まれたりとかして頑張るあの感じ・・・何か「バック・トゥ・ザ・フューチャー1」を思い出しながら観てて本当良いなと思いました。
しかも映画では良い感じに笑えるハナにつかない寒くならないギャグもあるし、地獄ではミュージック要素もある。
映画として色んなことに挑戦してるなーと思って個人的に好印象でした。
「オデッセイ」リドリー・スコット監督
土星で芋を作る。それ以外は以前からあるSF映画と同じような展開...。
「ブロークバックマウンテン」アン・リー監督
荒野、ハードボイルド、同性愛。
切なくて美しい。
コメディ良し。テンポ良し。
「二重生活」岸善幸監督
見ず知らずの人間を尾行するというスリリングな設定を扱ってはいるがその動機が納得いかない。
上手くハマれば良いフィルムノワールになりえたと思うしこういう設定なら最後に仕掛けを入れるべきだと思う
ひと夏の友情と恋に教習所とヤクザを取り入れたのは面白い。
主人公の天然っぽさも上手く表現しきれており作品全体にある温もりは原作と変わらず。
青春ホラーの要素を含みながら低予算ならではの技術も垣間見える。
ここ最近のSF映画でも傑作中の傑作だと感じた。
普通のSF映画は主人公が実際に宇宙へ行って何かトラブルが起きるという流れでこのインターステラーもそうなのだが惑星だけでなく四次元や過去にまで行ってしまう新しさ、そしてノーランが撮る映像とその美しさが上手く融合している。
脚本も複雑に構成されており、主人公と子供たちの関係性もリアリティがあって非常に深い。終盤は本当に感動してしまう。
個人的に「2001年、宇宙の旅」に並ぶ傑作。
この監督はエンタメに徹底した映画を撮り続けたほうが良い。
「バッドマン ビキンズ」クリストファー・ノーラン監督
よくある展開。ただ、それだけ。
『バッドマン ビキンズ』に比べるとだいぶ作品自体の深さが倍増したと感じる。
女と男の逃避行。『ブルーベルベット』と比べるとリンチにしてはあまりぶっ飛んでないように感じる。
いかにもアメリカ!というノリが冒頭から漂わせていて苦笑と寒気を感じながら観ていた。
ベトナム戦争を扱った戦争映画。
戦闘もリアルで人間同士で行われる対立も見ごたえある。
今までに観たホラー映画でTOP10上位に食い込む傑作だし、間違いなくTOP10から落ちることもないだろうと確信出来る。
『戦場のピアニスト』を観た時もそう思ったがこの映画を撮ったロマンポランスキーは天才だ。
ホラー映画というとまず驚かす。急に幽霊やゾンビが出てきて。だけどこの映画はそんなド定番なことを一切やらなかったし、やりたくなかったんだろうと感じさせる。
僕はこれを観て衝撃を受けた。作家独自の作風を残しつつ撮ったパーフェクト・ホラームービー。現在、これを観てからホラー漫画を描こうと密かにプロットを思考中である。
90分という短さでありながら白熱し見入ってしまう社会派映画。
ほとんどのシーンを部屋一つで撮影してしまうという制約を設けながらもこれまで面白い映画が作れるとは。そんなことを改めて実感しました。
「下衆の愛」内田英治監督
売れない映画監督と売れない役者たちがトラブルを起こしながらも映画製作に奮闘する群像劇。
主人公は下衆だが下衆なりにもどこか理解出来る行動がちゃんとあるしそれは他の役者たちにもそうだった。笑いどころもあり売れなさならではの悲哀というのもしっかりと表現出来た作品だった。
実はこれ大阪にある第七芸術劇場で行われた初日舞台挨拶に参加して観た映画。
舞台挨拶というのは初めてだったので良い記念になった。
6月15日
2年ぶりに高校へ行った。学校のパンフレットに載る写真とかを撮るためだ。そのときにお世話になった方たちにお礼とか挨拶が出来て本当に良かった。高校卒業してから行ってなかった駅も少し変わってて高校時代の自分がすぐそばにいるような感じがした。
学校に頼まれたサインを書いているとき名前だけ書いて渡してしまったことがあるのでサインの書き方覚えないといけませんねという話を高校のときマンガコースで教えてもらってた先生と話しながら描いた。
高校時代は今よりもっと暗かったので毎日ゲオで映画とかCDとか借りて漫画描いたりしててずっと一人で遊んでた。今思えばもっと友達作って遊びまくっとけば良かったと思うけどたぶんそっち行ってたら今より映画に興味なかったと思うしニルヴァーナとかレディオヘッドとかを入口にして入った洋楽に触れてなかったかもしれない。そういう点で高校時代に映画とか音楽に興味持てて吸収出来たの良かったかも。それがなかったら自分の漫画もここまで行ってなかったと思うから。
ちょうどそのとき観たのが僕が好きな女優 有村千佳さんが援助交際してる女子高生を演じててホテルで男優とヤるというハメ撮り作品だったけどその作品がまるで90年代のような雰囲気、ホテルの窓から夕暮れが差して少し赤く染まった部屋でセックスする有村千佳さんが本当に好きで単純に作品としてとても良いなと思ったんです。
あれを初めて観たときこんなにエロい女優いるんだっていう衝撃と存在感。目がエロいし有村さんはよく男性のちんこを口から出したとき涎の糸を意図的に出してるんです。こういうテクニックに僕はビビりました。あと僕自身がドMなので女王様系の作品も凄い良いですね。演技の幅が広いです。
その作品をイメージして描いたのがちょうど今年の前期ちばてつや賞で佳作を受賞した「卒業して酒と煙草を覚えてしまっても君だけは黒髪のように変わらないでいてね。」という漫画です。とにかく僕は今でも夕暮れに染まったホテルの一室が忘れられません。
もう発表してから二週間ぐらい経ちますけどやっぱり月刊誌に読み切り載ったときよりも感想見かけますね。まあ、無料だしWebで手軽に読めるから当たり前か...。
それとこの漫画の終盤に主人公の部屋が出てきます。そこに僕が好きな女優である松岡ちなさんのことを書いたポスターが貼られてるんですが松岡ちなさんは現在、事故の被害にあって休養中と知りました。
また元気になって再び作品を出してくれることを切実に願っております。
5月に観た映画の感想。
「ありきたりの映画」・・・ジャンリュックゴダール監督。ほとんど勉強。
「たのしい知識」・・・ジャンリュックゴダール監督。映像は面白いが最後まで理解できない。
「監督失格」・・・平野勝之監督。AV女優とAV監督という少し特殊な職業の二人が実はとても普通の恋愛をしていてそこには青春とか喪失感とかが痛いくらいに伝わってくる。それと同時に人間は実はとても弱く作られていて壊れやすい生き物だと改めて思い知らされる。
「ヴィクトリア」・・・ゼバスティアン・ジッパー監督。一夜にして犯罪に巻き込まれていく十代後半の女の子を緊張感溢れるワンカットで撮り続ける。そこには事件を起こした犯罪者グループたちと共に夜明けを過ごしていくリアル感と間近に生まれていく恋がかなり刺激的。
フィルムノワールに分類されるがその中でもかなり良く出来た作品。しかし前半の退屈さと後半からの面白いサスペンスの差が結構あったのでそこはもう少し工夫出来なかったかなと少し残念に思う。
「サンライズ」・・・フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ監督。1920年代。サイレントらしからぬ演出と構図が本当に美しい。そこに上質な音楽も加わり観客を揺さぶる脚本と俳優たちの演技でこの映画は非常に素晴らしい傑作になることが出来たのだと思う。
サイレントなのに湖のシーンが本当に怖いと思えるのは音楽だけじゃなくジョージ・オブライエンの演技とか犬がやたらと吠えてたり湖に集まる鳥が不穏な雰囲気を作っているからなんです。他にも都会の生活を撮ってる点も良い。そこに田舎者の二人が初めて都会の美容室に行って体験するのも感動。僕のオールタイムベストに入れたい傑作。
「追悼のざわめき」・・・松井良彦監督。終始、白黒と気持ち悪い映像の中にときどきハッとするシーンはある。しかしストーリーは基本的に難解。しかし理解出来ない部分を分かろうとしたいので何回も観る。そういうなんともいえない魅力があるのは理解出来た。
「アニーホール」・・・ウディ・アレン監督。男と女の出会いから別れまでをテンポよく映している。とても爽やかでアニメを入れたりセリフと同時にモノローグを入れるなど表現的にもユニークに溢れていて好き。
「ノスタルジア」・・・アンドレイ・タルコフスキー監督。白黒とカラーを使い観客を夢の中に少しずつ移動させるような映像は映画そのものと繋がっていえなくもない。しかし単純に面白くない。難解映画にある深さも自分には合わなかった。
「ディストラクション・ベイビーズ」・・・真利子哲也監督。日本映画にしてはとても攻めている映画でほとんどが喧嘩の暴力表現。しかしハリウッドなどでありがちな冗長なアクションシーンは感じさせず目の前で起きていることに前のめりになる。
個性溢れる監督が撮った個性溢れる映画。こういう映画を邦画で観たのはかなり久し振りかも。素直にこの監督が撮った次の映画が観たいと思える。
「ザ・プレイヤー」・・・ロバート・アルトマン監督。映画業界で働く人々を撮りながらも事件に巻き込まれるキャラを中心に撮る。
サスペンス的な面白さもありながら映画愛も感じられる。しかしそれ以上のものは感じられない凡作。
「ヒメアノ~ル」・・・吉田惠介監督。この映画を観て以降、V6が踊ってるニューシングルのCMを観たけどその中に殺人鬼が混ざっていて踊ってるようにしか見えなかった。だって映画と同じ外見だもん。金髪だもん。それぐらいこの映画に出る森田剛さんの殺人鬼役はかなりハマってた。素晴らしい。
ラブコメとサイコスリラーの要素を上手く混ぜた監督の手腕。見事としか言いようがない。
5月5日
どこにでもいる女の子の日常を大体、知ることが出来る時代になった。
僕が中学生ぐらいのときはプロフっていうのが流行ってて(今でいう簡単に作れる個人ホームページみたいなもの)それは運営してる人のブログだったり写真を上げれたり友達のプロフのリンクを張ったり。
そのときにもREALっていう現在のツイッターみたいなものがあったんだけど、そのときは特に何も感じてなかった。
中学生ぐらいから始めたツイッターを2~3年やった辺りから女子学生とかがちらほら自撮りをアイコンにしてその子の淡々とした日常を綴っているのはとても素晴らしいなと感じ始めた。正直、感動に近い。
学生時代、気になってた女の子のアカウントは意地悪してくるみたいに鍵が付いててフォローしないと見れない。その子とあまり学生時代、接点がなかったのでさすがにフォローする勇気は無いし学生時代、大人しかったあの子がどんなこと呟いてるのか興味がある。そのとき考えてたことは今でも同じことなのかどうか。
今でも僕と同じ街に住んでいるんだろうけど街では仕組まれたように全然、すれ違わないことを少し恨めしく思う。
すれ違って、お互い「あっ」っていう表情になって、変な間があって、知らんぷりして、お互い目的の場所へ向かう。
これってあと何回、体験できるんだろう?
高校時代、狂って自分の中にある鬱憤をぶつけるみたいに漫画を描いては投稿してた少し前の状況。あのときは何で自分の漫画が何も音沙汰なくて何十回も落選しまくってたの意味分からなかったけど現在は色んな編集者の人から連絡くれるようになって少し前と今の状況の違いに少し驚きとそれに慣れるため必死に付いて行ってる感ある。
努力でこうなったのか正直、分からないけど相変わらず絵を上手くなろうとする努力はしんどいし自分は絵を練習しようとしないし嫌いだし笑える。漫画描くのが好きでここまで来れたのかもしれない。あんまり細かいことは分からないけど。
結構前に自分の元担当編集者だった方が大阪に用事で来るってことになって生まれて初めて編集者という人と二人で御飯行って色々、喋った。
そのとき自分は絵が下手だし絵を練習することは疲れるから嫌い。だから正直、売れなくても最低限の生活さえ出来ればいいって言ったらその編集者さんは苦笑しながら「いや売れなかったらこっちが困るから。連載してる以上、売れなかった困る」と言われ「あー、なるほど。確かにそうだな…」と反省した。
それからは徐々に売れたいと思うようになっていき、連載する雑誌を黒字にして助ける気持ちで描かないとなと思った。