甲子園とチアリーディング部の関係性について
以前、友達と一緒に帰ってるとき、
「可愛い女の子になりたい」と言った。
元から僕は可愛い女の子が好きでよくグラビアを見たりして楽しんでいたのだが、遂に死んでしまって可愛い女の子に生まれ変わりたいという気持ちが出てきた。
可愛い女の子になって何がしたいか。
まず、普通の学校生活を送る。決してグレることなく学校どこにでもいる地味な女子生徒に僕はなってみせる。地味だけどよく見れば可愛い女の子。男子たちはその可愛さにあまり気付いていない。そんな女子に・・・。
そして次は、自撮りがしたい。それをSNSにアップし続ける。ネットに書き込む文章はオリジナリティある文体にして、今時の女子高生が書かなさそうなものにする。
部活はどこにも所属していない。帰宅部だ。しかし彼女が通う高校は毎年、甲子園に出場する強豪校。もちろん今年の夏も出場する。
そんな彼女にチアリーディング部の同級生がやってくる。
「今年もチア部、甲子園に行って応援しにいくんだけどさぁ、人手がちょっと足りないんだよね・・・申し訳ないけど来てくれないかなっ!?」
もちろん彼女は優しいので行くことに。
高校球児と太陽のせいで熱気に包まれる会場。人の多さに私は思わず圧倒される。
女子更衣室。初めて着るチアリーディング部のユニホーム。思わず彼女は同級生にこう言う。
「なんかスカート・・・短すぎない・・・?」
私たちが応援する高校は守備のエラーが続き失点ばかり。かなり点差が開いている。
野球なんて興味ない私だったけど、気付いたらメガホン使って叫んでた。
「頑張れー!頑張れ―!負けるなー!」
隣にいた同級生は思わず微笑む。
『今大会、あんたの声援が一番のホームランだよ・・・』