創作と生活

主に映画の感想を書いてます。

2015年 北橋映画賞&年間ベストアルバム

2015年に観た映画で一番良かった映画。

北橋映画賞。

 

「マイ・マザー」 グサヴィエ・ドラン監督

f:id:amenokaede:20151224031214j:plain

 

 

「ゴーン・ガール」 デヴィッド・フィンチャー監督

f:id:amenokaede:20151224031337j:plain

 

 

「転校生」 大林宣彦監督。

f:id:amenokaede:20150407103602j:plain

 

 

「超能力研究部の3人」 山下敦弘監督

f:id:amenokaede:20151224031453j:plain

 

 

 

2015年 Best Album

 

【1】depression cherry / Beach House

f:id:amenokaede:20151224024228p:plain

 

 

【2】The Magic Whip / Blur

f:id:amenokaede:20151224024425j:plain

 

 

【3】Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit / Courtney Barnett

f:id:amenokaede:20151224024644j:plain

 

 

【4】THE BAY / Suchmos

f:id:amenokaede:20150529182024j:plain

 

 

【5】Vega Intl. Night School / Neon Indian

f:id:amenokaede:20151224025128j:plain

 

 

【6】Prom King / Skylar Spence

f:id:amenokaede:20151224025508j:plain

 

 

【7】Speakerzoid / The Jungle Giants

f:id:amenokaede:20151224025735j:plain

 

 

【8】POSITIVE / Tofubeats

f:id:amenokaede:20150730154918j:plain

 

 

【9】C2 / Base Ball Bear

f:id:amenokaede:20151224030053j:plain

 

 

【10】Heart Wire Tapping / HASAMI group

f:id:amenokaede:20151224030428p:plain

 

12月2日

・他人同士が映画館へ集まり一つの作品を共有する。

時々、笑い声や驚きの声などが漏れたとき、まるで仲の良い友人にでもなったみたいな親近感が湧く。

もっと映画行きたいけど自分が観たいと思う作品が友達にとっては観たくない作品のことが多いので辛い。そしたら一人で行けよって話なんですが、やっぱ映画終わりにすぐ感想話し合いたい。

けどデートで映画観に行って鑑賞後、「微妙だったね」って俺が言ったら彼女は「えっ?面白かったじゃん・・・」って言っちゃったら、ちょっと気まずいね。それは二人の好みが合ってないってことだからね。まあ、お互い創作してる人だったら「いや、ここはこうだからああなって~」って熱い討論を交わせるだろうけど普通の女の子だったらまず泣くよね。

だって俺が相手に気遣いながらも創作してる身でもあるから嘘はつけないので正直に「・・・となりのトトロめっちゃつまんなかったね」って純粋な女の子に言ったら最悪でしょ。こんな彼氏、引くでしょ。

なのでそこは正直に「となりのトトロめっちゃ面白かったね!」ってとりあえず嘘でもいいから褒める。とりあえず全部、褒めとけばOK。鑑賞後って大体、「面白かったね~」で始まるから(多分)

 

・Mなのでヤンデレの女がナイフで男を脅しながら誘惑するという内容のAVを見つけた。すぐに傑作の予感がした。

期待しながら観てみるとナイフを持った女が「愛してくれなきゃ刺すよ・・・?」などと言いながら男の性器をいじくりまわしていて、まさにホラー映画を観ている気分になり、まったく興奮することが出来なかった。

このとき自分はまだまだライトなMなんだなと気付かされた。これを観て興奮出来るのは自分よりもっと上なヘビーなMなんだろう。

 

・六月、月刊スピリッツに初めて自分の漫画が載ってからもうほぼ半年が過ぎた。

読者による評価がいまいち良かったのかどうかは担当さんにあえて聞いてないのでよく分からないがネームを描き続け送ってはボツ。ネームを描いて送って担当さんからこれで行きましょうと言われそのネームを修正するが結局、変な方向に行ってしまってボツになる・・・の繰り返しです。

なんていうかデビュー前の状況に戻ったな~という感じです。デビュー前もこうやって何度もネーム描いては送り続けてた。

話変わりますがデビューしたあと消えてしまう漫画描きがほとんどらしいです。僕もその中の一人だなーという感じです。けどそのことに楽観視してる自分がいるので意外です。

恐らくこのあと駄目なネームを送り続けてこいつデビューしてから駄目だな~ってなったら切られちゃうと思うのでそのときは別の雑誌に行こう。なので今はスピリッツに気に入ってるネームを送り続けるだけだ。

早く連載会議に出せるようになりたいな。とにかく連載!連載が欲しいね。

 

・帰ってるとき、そういえば授業がある日は絶対、友達とエロい話してるなーと気が付く。なぜだ?俺が悪いのか?それとも友達か?

・・・まあ、気のせいやな。

 

 

「6才のボクが、大人になるまで。」・・・リチャード・リンクレイター監督。

この監督はメッセージ性があれば別にエンタメ要素を無くしても大丈夫だろうと思って撮ったのか?

そのせいでこの映画は二時間半ぐらいあるにも関わらず非常に退屈な作品に出来上がっている。観客に深く考えさせようとばかりしていて楽しませようとは一切、していない。

 

「マイ・マザー」・・・グザヴィエ・ドラン監督。

ほとんどの人が経験したことがある母親との確執を描いた映画でこの作品を若干20歳で撮ったことに驚愕。

やはり映像のセンスは素晴らしいが脚本自体も申し分ない出来。個人的にグザヴィエ・ドラン作品の中でもお気に入りの作品で今年観た映画の年間ベストに入る。

 

「胸騒ぎの恋人」・・・グザヴィエ・ドラン監督。

いかにもトリュフォーらしい作品で本人が観たら悔しがるのではないだろうか。

普通は女1人を中心にして男2人が取り合う三角関係が多いとは思うが、これはゲイの男と女が美青年を奪い合うという形で珍しい。だがそれ以外は普通の恋愛映画なのにセンスという言葉だけで映画の中に惹きこまれてしまう。

 

バクマン。」・・・大根仁監督。

大根監督といえば「恋の渦」が凄く良かったんで「バクマン。」にも期待して観た。

原作から必要なところだけを切り取って展開は良くまとまっているし、小松菜奈演じるヒロインとの恋愛も甘酸っぱくて個人的に好きです。

だけど中盤のよく分からないバトルシーン。あれは本当にいらなかった。

そしてやっぱり主人公の二人。配役が逆の方が合っていたのでは・・・?

 

ジャンゴ 繋がれざる者」・・・クエンティン・タランティーノ監督。

西部劇を撮りたかったから撮った、という感じなんでしょうが正直、今の時代に合せようとする仕掛けがあまり感じられずイマイチだった。

昔の西部劇映画でもありそうな脚本。タランティーノにしては珍しく力が感じられない。長く感じた。

 

リンダ リンダ リンダ」・・・山下敦弘監督。

この監督が撮った「天然コケッコー」「超能力研究部の3人」そして「リンダリンダリンダ」を観た感じ本当にこの監督は見せ方が非常に上手い。

韓国人留学生役のペ・ドゥナが文化祭前日に誰もいない体育館の舞台に一人立ってリハーサルをする姿。たどたどしい日本語でメンバー紹介とかをちょっとふざけた感じでやる。これが本当にキュートで良いシーンです。

そして文化祭に向けてみんなで練習をする姿をドアが開いた部室からちょっと離れて撮っている。こうすることによって学生時代が終わった観客に「あー、楽しそうに練習してんなー。こんな青春、羨ましいなー」と振り返らせるようにしてる。

文化祭当日、主人公たちのバンドが他の出演者よりも演奏で盛り上がってるシーンと大雨で誰もいなくて少し暗くて寂しい学校の教室とか校庭を交互に入れることによってモラトリアムが少しずつ終わりに近づいていることを表現している。

これはただの青春映画ではない。

 

「恐怖分子」エドワード・ヤン監督
単調な生活かそうでない生活どちらがいいか問われたら「そうでない生活」と俺は答える。
この「恐怖分子」の小説家の妻も流産をきっかけに小説が書けなくなり環境の変化を求め、夫を残し家を出て行く。
その物語とは別にカメラマンの男はある日不良少女が事件に巻き込まれているところを撮影して以来、その不良少女のことが気になり不良少女が入院しているという病院を訪ね交流を深めるが女は別の男とバイクに乗って去ってしまう。
まるでよくあるラブストーリーをそのまま描いた展開。
そう、こちらが小説家の妻が求めていた「そうでない生活」で、「単調な生活」を求めていたのが不良少女だったのだ。
どこか不気味とも言える独特な雰囲気に極力、不必要なシーンを省いているのがこの傑作の相性に非常に合っていた。
 
「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」スティーヴン・ナイト監督。
とても完成度の高い密室劇で急ぐ車と共に話もノンストップで突き進む。
展開もよく考えられており気が付けば映画に入り込んでいてエンディングを迎えるのが早く感じた。
 
「SOMEWHERE」ソフィア・コッポラ監督。
孤独な俳優を主人公にした「ロスト・イン・トランスレーション
「SOMEWHERE」では俳優の男が離婚した妻との娘と限られた時間、一緒に過ごすところを撮っているのだが、この両作品アイデア自体が似ているのでほとんど同じような映画。
本当に何も起こらない映画なので、これでは監督が何も思いつかなかったのかと感じてしまう。
唯一の評価点は俳優の娘が可愛かったことと結婚して子供が欲しくなったことだけだ。
 
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。
本当に素晴らしい。高い撮影技術で舞台に関わる人たちそれぞれに焦点を当てており、まさに「アメリカの夜」を彷彿とさせる。
脚本の出来も申し分ない。傑作だ。
 
愛を読むひと」スティーブン・ダルドリー監督。
非常にシリアスなラブストーリーでメッセージ性がとても強い。
マイケルとハンナによる純愛、残酷さがとても伝わってくる。
 
前半は少年が大人の女性に恋する様子を撮り、後半では夫を亡くしたマレーナが金銭的な理由から男たちに体を売るが街の女たちからボコボコにされるという明るかった前半とは全く違う暗い展開。
この前半と後半ではあまりにも相性が悪い。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督はボコボコにされる女性をそんなに撮りたかったのだろうか?僕が観た感じ全くいらないので前半のような明るいコメディタッチで撮ってほしかった。

 

 

10月23日

 

どですかでん黒澤明

色彩感覚が素晴らしい。登場人物がイカれてるのも好き。だけどもつまらなさすぎる。
 
面白いが後半少しダレる。
「ロリータ」のアクション版といったところ。
 
オルゴールの陽気な音楽とその場で起きてる悲哀の対比。迫力ある構図が秀逸。
ただ松永の死に方があまりにもあっさりしてて違和感が・・・
 
さらば青春の光」フランク・ロダム 
無駄に長い。
似たような展開が繰り返されてるので飽きてしまう・・・主人公が事故を起こすシーンはギャグで笑った。
 
中盤くらいまで良かったが最終決戦は少し長くレイチェルの最後も都合が良すぎる。
しかし映像センス、デッカードとレイチェルのキスシーンは素晴らしい。
 
静を映した大人時代と動を映した子供時代の対比が美しい。
一般人たちの生活に非常に距離感が近く共感する。
 
登場人物たちが受けてきたそれぞれ違う教育から起きる行動の関係性。
そして外国人が撮ったとは思えないほど日本らしいリアリティある映画。
女と爺さんが自分たちの秘密を握りしめたまま家の中に隠れるが加瀬亮さん演じる男によってそれが見破られる。
 
「さよなら歌舞伎町」廣木隆一
   
東北の震災の悲しみと東京の歌舞伎町という遠く離れた街の悲しみを上手くリンクさせている。
他の登場人物のキャラも立っておりそれぞれの過去もよく描けている。
しかしイリアが同じ韓国人でカタコトの日本語なのにすぐ恋人だと気付かない、恋人という設定で不倫をしていたことにすればいいのにそこまで思考が働かない警察など少し頭の悪さが露呈してるが・・・。
 
「嗤う分身」リチャード・アイオアディ監督
ドストエフスキー原作ということもあり、かなり良い設定なんだが映画ではどうにも活かしきれてない。 
優秀な監督が撮ればもっと良い作品になりそうで非常にもったいない。
 
タランティーノらしさ全開の映画で飽きることなくあっという間にエンディングを迎えた。
暴力、笑い、恋愛とストーリー展開がどれも違和感なくマッチしており、監督の個性を遺憾なく発揮した傑作。
 
「フット・ノート」ヨセフ・シダー監督。
息子が選考委員たちと話し合うシーンはとても緊張感があり面白く観ることができた。
だがラストは父と息子の問題をうやむやにして終わらせたような気がしてならずこれが最適な結末だとは到底、思えない。
 
「アメリカン・スナイパー」クリント・イーストウッド監督。
戦場で活躍する伝説のスナイパーが妻と子供に囲まれ過ごす日常とのバランスが上手い。
敵の命を奪い続け、仲間の死を間近で見てきた兵士が普通の人間に戻ったとき、どのような変化が起きるかを観客に訴えかける。
 
「超能力研究部の3人」山下敦弘監督。
鑑賞前、クソつまんないアイドル映画かなと思ってたんですが舐めてました。
これはフェイクドキュメンタリーの傑作。
主演はアイドルグループ乃木坂46で活躍する女の子3人なのだが、とにかくこの子たちが監督に怒られながらも演技を頑張ったり、演技が下手な女の子が上手いと言われてる女の子にアドバイスされて喧嘩しちゃったりと本当に見せてくれる。もちろんこれらは全部、ドキュメンタリーのように見せかけた嘘なのだが、中には本当のこともあるのかな?と観客をそわそわさせる。
映画自体は「面白い」のだが、その前に「上手すぎる」という感想のほうが先に出てくる。どうしたらこんな演技、俳優、女優から撮れるのか・・・これを引き出せる監督の凄さ。尊敬します。

甲子園とチアリーディング部の関係性について

以前、友達と一緒に帰ってるとき、

「可愛い女の子になりたい」と言った。

元から僕は可愛い女の子が好きでよくグラビアを見たりして楽しんでいたのだが、遂に死んでしまって可愛い女の子に生まれ変わりたいという気持ちが出てきた。

 

可愛い女の子になって何がしたいか。

まず、普通の学校生活を送る。決してグレることなく学校どこにでもいる地味な女子生徒に僕はなってみせる。地味だけどよく見れば可愛い女の子。男子たちはその可愛さにあまり気付いていない。そんな女子に・・・。

そして次は、自撮りがしたい。それをSNSにアップし続ける。ネットに書き込む文章はオリジナリティある文体にして、今時の女子高生が書かなさそうなものにする。

部活はどこにも所属していない。帰宅部だ。しかし彼女が通う高校は毎年、甲子園に出場する強豪校。もちろん今年の夏も出場する。

そんな彼女にチアリーディング部の同級生がやってくる。

「今年もチア部、甲子園に行って応援しにいくんだけどさぁ、人手がちょっと足りないんだよね・・・申し訳ないけど来てくれないかなっ!?」

もちろん彼女は優しいので行くことに。

高校球児と太陽のせいで熱気に包まれる会場。人の多さに私は思わず圧倒される。

女子更衣室。初めて着るチアリーディング部のユニホーム。思わず彼女は同級生にこう言う。

「なんかスカート・・・短すぎない・・・?」

 

私たちが応援する高校は守備のエラーが続き失点ばかり。かなり点差が開いている。

野球なんて興味ない私だったけど、気付いたらメガホン使って叫んでた。

「頑張れー!頑張れ―!負けるなー!」

隣にいた同級生は思わず微笑む。

『今大会、あんたの声援が一番のホームランだよ・・・』

 

f:id:amenokaede:20150821075541g:plain

8月12日

お久し振りです。僕にとってNOGIROOMとは生きる糧 北橋です。

 

この前、吉川さんとあなんさんが僕をスカイプに誘って頂いて3人で通話をした。

漫画力が高いお二人と会話しているととても良い刺激がもらえる。

あんなに熱く漫画のことを喋ったのは久し振りだった。

 

ヒーローと映画「バケモノの子」を観に行った。

個人的に細田守監督は「おおかみこどもの雨と雪」が好き。

にしても久し振りに映画館へ行ったが大学生はあんなに料金が高いんだな~と驚いた。

お金持ちになるまではもっぱらレンタルでいいかも。

 

・去年はPL花火に行ったが今年は友達数人で淀川の花火大会に行った。

大会が始まってる間はどかんどかん打ち上げられてたので、いざ終わると切なくなり、もうすぐ夏が終わるんだと思うと虚しくなってしまった。

それも花火の一つだとは分かっているんだけど終わった後の「また来年も花火見に行けるかな」とか「来年の俺はどうしてるんだろう」とか考えちゃう。センチメンタル。

 

映画の感想。

 

「夏の遊び」・・・初ベルイマン。構図、台詞のセンスが良い。

だがストーリーが致命的につまらん。

 

イレイザー・ヘッド」・・・デヴィッド・リンチにしか出せないオリジリナリティーで観客を新しい映画体験へ誘ってくれる大傑作。

作品の世界観、独特の間、デザイン、俳優女優の演技が完璧。

本当にこの映画はヤバくて凄すぎる・・・。

 

「女の都」・・・人から聞かされる睡眠中に見た夢の話というのはほとんどがつまらない。

この映画もそんな話を聞かされているようで物凄く退屈でした。

 

「欲望」・・・初アントニオーニ作品。

芸術または作品に対する勝手な解釈に反抗した映画。

アントニオーニが主人公の写真家という体を借りて自己批判しているのも分かる。

緻密に製作され監督のメッセージも素直に受け取れる。非常に上手い映画。

 

 「プリティウーマン」・・・まあまあ面白かった。

だけどいかにも無難で監督のセンスとかが本当に何も感じなくて個人的にまったく好きじゃない。

 

「バケモノの子」・・・冒頭の説明でうんざり。

主人公とヒロインが図書館で出会うシーンは甘酸っぱくて雰囲気良かったけどそれ以降はなんかテンプレの少年漫画を読んでいるかのよう。

 

「トム・アット・ザ・ファーム」・・・的確な演出で「男と女」「男と男」の関係を描いていたりゲイを拒絶する恋人の兄から執拗に殴られるゲイの主人公だったりと複数の登場人物による心情が素直に伝わってくる。

25歳で撮ったとは思えないほどの上手さ。

画面の落ち着きっぷりがもはやベテラン。

しかもただのサイコスリラー映画ではない。登場人物たちの服装や寝室などを見るとそこからメッセージなども分かる。とにかくセンスが良い監督なのでこれからが楽しみ。

 

未知との遭遇」・・・スピルバーグ。まず1970年代にこのような映画を製作できるってことが本当に凄いし未確認飛行物体の光がとにかく綺麗で神秘的。

そのせいか宇宙人との出会いも感動出来るんですよね。宇宙人ってあんなにキモイ外見してますけど感動出来るんです。「ああ、いつか世界もこんなことが起きるのかな」って・・・・・・。

 

博士の異常な愛情」・・・キューブリック。人間の欲望が国を左右し簡単に戦争が始まることを描く。

残酷さと笑いは紙一重で出来ているんだろう。

次々と爆発していくラストシーン。そのような状況でも愛する人と一緒にいたいと思ったり、そんな状況だからこそ笑いたいと思えたり。

このラストシーンは映画史の中でも上位に入るほど残酷さを含めた美しさだ。

 

七人の侍」・・・黒澤明監督。観客を飽きさせない脚本、登場人物の個性、アクションシーン・・・

色々、良いところありますが僕が本当に良いと思うのは構図と台詞です。

白黒なのに見入ってしまう美しい画面と気付いたらハッとしてしまう台詞。

黒澤監督の映画はこれまでに何作か観ましたがどれも人間味が凄く出ているのが多い。本当に実在してる人物をそのまま撮ってるみたいなんですよね。そこが僕、黒澤映画の好きなとこです。

 

ミスティック・リバー」・・・2時間ちょっとあったが1時間半でまとめられそうだ。

蛇足が少し多い。

間違えて友人を殺害したジミーは反省してましたが反省の時間が少ない。これではまったく反省していないように感じる。しかも今まで真面目だった刑事もジミーの罪についてはノータッチ。

「友達だから庇うのか?」刑事が自分の相棒に言われたこの台詞もこれではなんだか矛盾しているように感じる。

時間的にそうするしかなかったんだろうがジミーの今後について他にも方法があったはず。消化不良感が凄い。

だがそれまでのストーリー、終盤のカットバックは非常に良かったので惜しい作品。

 

「箱入り息子の恋」・・・吉野家で育む恋愛関係がこんなにも素晴らしいとは。

笑える部分もあるが意外に鬱展開が多いのに驚いた。

こういう設定の話は大体ありきたりになってしまいがちだと思うのでそれを避けての鬱展開だと思うが何故かラストは手紙(点字)のやり取り。

そこは少し怪我が治った主人公が仕事終わり自宅に帰ろうとすると雨が降っている。いつものように傘を差して帰ろうとすると二人が一番、最初に出会った場所で夏帆さんが傘を差して待ってる・・・でもいいような?

 

スカーフェイス」・・・アルパチーノかっけえ!あの目がドアップになるところ好き!

主人公の性格があまりにもクソなのでどうしようもないけど、どこか魅力があって好きになってしまう。

しかしこれだけの話で二時間半は長い・・・

 

7月6日

アマチュアとプロとの差はまったく無い。

プロの作品がアマチュアの作品に勝つことがあるし、

アマチュアの作品がプロの作品に勝つことがある。

 

プロットを思い付くのに時間が掛かる。

思い付いてネームにしてみると駄作だったりなんてのはよくある。

作者と読者が気に入る作品を描くためには仕方ないことかもしれない。

寡作な人はそれが原因なのではないだろうか?

 

 

映画の感想

 

スティング」・・・巧みなプロット。観客を騙す事に成功してる。

 

パーフェクト・ワールド」・・・切ない。ケヴィンコスナーの父親感出てた。

 

パンチドランク・ラブ」・・・随所に映像センスは感じるもののベタな恋愛をしてる男女を犯罪に巻き込んだだけの映画。

 

フルメタルジャケット」・・・普通の人間が兵士になる過程、平和を願いながらも生きるために人を殺す二面性。他の戦争映画とは比べものにならないオリジナリティさ。キューブリック神。

 

「IT」・・・色々と酷過ぎるホラー映画。あまりのB級さに笑う。

 

嫌われ松子の一生」・・・相変わらずクセが強いこの監督の映画。テンポが良く面白い。

 

バートン・フィンク」・・・期待して観た初コーエン兄弟作品だったが・・・ジョン・タトゥーロがメッシに似ていた。それ以外はありきたりな展開。がっかり。

 

バリー・リンドン」・・・3時間もある歴史大作だったが飽きずに観れる。これが18世紀の時代か・・・と衣装、建物、背景などを見て思わず唸る。

 

4分間のピアニスト」・・・これをミヒャエル・ハネケが撮ってたならこの作品よりもっと良くなるだろうなーと思った。

月刊スピリッツ8月号掲載 読み切り漫画「創作と生活」について

こんにちは。良い夏を過ごす準備出来てますか?北橋です。

今日は報告があります。

実は6月27日発売の月刊スピリッツ8月号で僕のデビュー作「創作と生活」(24ページ)を掲載させてもらってます。

f:id:amenokaede:20150627033259j:plain

 

f:id:amenokaede:20150627011938j:plain

デビューまで1年近くボツになりましたが「創作と生活」でデビューできたことに喜びを感じてます。

ですが作中にいきすぎた下ネタがあるのでそれを見た家族、親戚がなんと言うか分かりません。激昂してペンネームにさせられるか家族を辞めさせられてしまうかもしれません。もしくは僕のこの下ネタのせいで近所で良からぬ噂が流れ北橋家引っ越しということも十分あり得ます。作品の批判よりそっちのほうが物凄く不安です。夜も眠れません助けて。

 

話は変わりますが「創作と生活」はエンタメだけでなく実際の僕の生活と少し重なる部分や漫画という文化がこうなればいいなという作者の理想が詰め込まれています。注目してほしいところはそこです。

 

制作時、大変だったことは24ページにまとめることと作画です。

お気に入りだったシーンを泣く泣く削りました。

担当さんが指摘した作画修正にだいぶ苦労しました。上手く描けないからです。

まあ、そんなこんなで完成したのが「創作と生活」です。

 

最後に小学6年生のときの担任の先生、高校のとき漫画の授業を担当していた先生、専門学校の担任の先生、前の担当さん、今の担当さん、友達、家族、ガールフレンドの沙織、松井玲奈さんに感謝したい。

あなたたちがいなければ僕はここまで来れなかったでしょう。

本当にありがとうございます。

 

「創作と生活」の感想いつでもお待ちしています。ツイッター、ブログのコメントでも構いません。僕のLINE、メールアドレスを知ってる方がいたらそちらでも全然いいです。面倒臭かったら口頭でも大丈夫です。

面白ければ雑誌のアンケートにちゃんと「面白かった」にチェック付けて出してくださいね。たぶんスピリッツ公式HPプレゼント応募のところで出来ます。

そのアンケートの結果でプレゼント抽選は当たらないかもしれませんが1人の人間の人生を 全て決めてしまうかもしれないので本当に宜しくお願いします。漫画家にとってアンケートとは銃口を向けられているようなものですから。

 

f:id:amenokaede:20150502033344j:plain

 

ゆきゆきて、神軍」・・・原一男監督。

違う視点から戦争を撮ったドキュメンタリー映画。

 

f:id:amenokaede:20150501024607j:plain

 

「ウォールフラワー」・・・スティーブン・チョボスキー監督。

10代が経験するであろう青春、性別の壁を撮った映画。こういう内容はときどき観ていて恥ずかしくなるものが多い。だがこの映画に関してはそんなことはまったくなかった。

褒めたいのはクライマックス。薬物による幻覚と自殺の関係性の描写はとても素晴らしく胸騒ぎがした。

 

 

f:id:amenokaede:20150412205801j:plain

 

「ドライブイン蒲生」・・・たむらまさき監督。

少し寂れた町とそこで暮らす家族の関係性が非常に良く表すことが出来ていて小道具の針?が家族にとってどのような物かが分かるというのも効果的だった。

 

f:id:amenokaede:20150407103602j:plain

 

「転校生」・・・大林宣彦監督。

この80年代に公開された青春傑作映画は自分の映画体験の中でとても重要な一作になった。

公開から30年以上経った今。映画の中で行われる展開は特に新しさもなくベタに思える。だがなぜこんなに面白く、批評的な目から見ても完成度が高いのか。

それは尾美としのりさん、小林聡美さんのエネルギーに満ち溢れ、吹っ切れたような演技がもう本当に素晴らしいのだ。この演技のおかげでこの映画の価値がとても上がったんだと僕は思う。(小林聡美さんが演じた男の子は本当の男の子よりも細かい仕草含め男らしかった。正直、こんなに素晴らしい演技今まで見たことがなかった。あまりの素晴らしさに思わず観ていて笑ってしまった)

ラストシーン。8ミリに映る小林聡美さん演じる一美が車を追いかけるのを止め、後ろを向き、スキップし、そしてまた振り返ったと思った瞬間に8ミリが終わる・・・本当に感動した。何もかもが計算され尽くしている。映画の中で誰もが聴いたことのある音楽はとても効果的で、(製作費がないためそのような音楽を使用したらしいが)心は男の一美がナンパ男を撃退し、その男がまるでギャグ漫画のように足をぴくぴくさせながら倒れているところ。計算してそうやったのではないかと思い、本当に怖くなる。

オープニングとエンディングまたその間にあるものも素晴らしい。こんな映画は中々、作れないし観る機会もあまりないだろう。

まるで奇跡が起きまくったような映画だ。

 

f:id:amenokaede:20150406225103j:plain

 

「隣の女」・・・フランソワ・トリュフォー監督。

男女の愛をサスペンスを絡ませながら深く突き詰めており非常に面白く観ることができた。

トリュフォー映画の中でも完成度と面白さがとても高い作品。

 

f:id:amenokaede:20150406222803j:plain

 

「パッチギ」・・・井筒和幸監督。

極めて王道そして普通・・・

評価出来るのはクライマックスからラストにかけての盛り上がりのみ。

 

f:id:amenokaede:20150406224933j:plain

 

恋のエチュード」・・・フランソワ・トリュフォー監督。

姉妹との壮大な恋愛を2時間で描かれ、トリュフォー自身によって語られるモノローグの台詞がとても際立っている。